上州風12号

<特集>
追悼 伊藤信吉
サッカーに熱狂したい We want to be a supporter.
■氷壁の旅人 joshujin in Himalaya
渋川の誇り 「次郎杯」
 連載ぐんま温泉礼賛 癒しの国  草津温泉の巻
 布施英利の異彩対談 guest 加賀美幸子さん
 
  
伊藤信吉、逝く
萩原朔太郎研究で知られる現代詩壇の長老、伊藤信吉氏(群馬県立土屋文明記念文学館館長)が8月3日、95歳で逝去されました。氏は若き日に郷里の前橋で朔太郎や高村光太郎ら多くの近代詩人と交わり、その後はプロレタリア文学運動への参加と離脱など数々の詩的遍歴を経て、それら実体験に根ざした詩論や文学研究で重要な足跡を残しました。本誌では3年前の創刊時、氏に編集アドバイザーをお願いしたほか、創刊号特集「波宜亭先生 朔太郎のいる風景」での取材・執筆など多方面の協力をいただきました。ご冥福を祈り、巻頭に追悼特集をお送りいたします。

サッカーに熱狂したい We want to be a supporter.
緑の芝を転がり、青空を切り裂く白いボール。
ピッチに響くホイッスルに歓喜と落胆。『世界共通語』と言われるサッカーが描く風景は、利根川の河川敷も、横浜国際競技場も、”聖地”ウエンブリースタジアムも変わらない。異なるのは歴史や地域性からはぐくまれ、その地に息づいたサッカー文化。戦後、立ち遅れた群馬のサッカーは半世紀の時をかけ、ワールドカップという世界の舞台にプレーヤーを送り込むまでになった。しかし群馬の地に、サッカーを楽しみ、生活の一部とするサッカー文化は生まれたか。ワールドカップが終わり、心の底から思う。「サッカーに熱狂したい」。



氷壁の旅人
高みを目指す
ある人はなだらかな道から
また、ある人はより険しい道から
たどりつく頂上は同じだけれど
なぜか困難な道ばかりを選ぶ人がいる
苦しさを、身に降りかかる危険を楽しむように

昭和40年代初頭、群馬の小さな町に、ヒマラヤ山行きの夢を語る男がいた。男の名は小暮勝義。「群馬からヒマラヤへ」。夢の実現が始まった。