遊び心とお祭り気分に満たされたコミュニティー
「買場紗綾市」

 桐生1、2丁目の町並みを歩く日は、買場紗綾市が開かれる第一土曜日がいい。紗綾市は、町の活性化とともに地域住民の交流を深める場としても機能し、同じ日に近くで開催されている骨董市とは全く違った雰囲気と趣を漂わせている。活気の中にのどかさがあり、ほのぼのとした情緒がある。本町1、2丁目に残る人情や人々の遊び心の片鱗に触れることができるのである。
 手作りの民芸品や桐生の特産物、夫婦の手仕事による正藍染品、花などを売る店など、多い日には36店の出店が道の両側や空地に並ぶ紗綾市。平成8年3月に第一回の市が開催されてから4年余りが過ぎた。当初は、「1年続くのか」と懸念する声も聞かれたというが、地域住民の理解と協力、出店者の努力、さらに繊維業界の物心両面による支援を得て、これまで一度も休むことなく続いている。実行委員であり紗綾市の立ち上げ時から中心メンバーとして活動してきた『島崎商店』の島崎英三社長は、
「紗綾市は[遊び心にお祭り気分。みんな仲よく、にこにこ笑顔]の精神を大切にしています。来てくれた人が楽しめる場にすることはもちろんですが、実は開催している我々が心から楽しんでいるんですよ。また、キャッチフレーズに[売るのは文化]を掲げ、出店者には紗綾市でしか手に入らないものを売るように呼びかけてきました。時代に遅れない、時代に合うもの創り。[連作は追わず、来た人に喜んでいただける商品を]ということで新製品や試作品コーナーなども設けています」と語る。
 出店は近隣の商店や企業、製造元などに留まらず、市外からの参加も増えているそうだ。そこには、商売を超えた人と人の交流がある。この町を愛しながら暮らす人々の笑顔がある。人のぬくもりに触れたくて足を運ぶ常連も多い。紗綾市に来たら、ものを買うだけでなく売る人との会話を楽しもう。ただ町並みを歩いただけではわからない本町1、2丁目の素顔や魅力が見えてくるはずだ。
 
↑↓買場紗綾市は多くの人でにぎわう

↑本町にある有鄰館(ゆうりんかん)
↓本町界隈には蔵が多く残る