森の中の工場


磯 尚義著、A5判、178頁、並製本
定価 本体1500円+税 ISBN 978-4-86352-264-0


2015年9月に「SDGs」~持続可能な開発目標~が国連総会で採択されたはるか以前の2002年、群馬県赤城山の南面に、後に世界中から注目を集める工場が誕生した。カーエアコン用コンプレッサーで世界シェア25%を占めるサンデンが造った「サンデンフォレスト」だ。
そのプロジェクトの主導者こそ、サンデン元会長牛久保雅美氏である。コンセプトは「環境と産業の矛盾なき共存」。後押しした人物は、今は亡きC.W.ニコル氏だ。二人の出会いがきっかけとなり、荒廃していた広大な森林を切り開き、環境に留意した先端的な生産施設を築くとともに、2つのビオトープを中心に森林が整備された。
生前ニコル氏は「これは未来遺産だ。環境と企業、経済が結婚する最高に幸せな仕組みをサンデンがつくった」と絶賛。牛久保氏は「環境と産業の矛盾なき共存。その永続的な実行は、経済人の使命ではないか」と語っている。著者は、取材を通して、この志を継ぐ後継者の出現を二人から託された。